営業リストの作り方|無料でできる方法と精度を上げるコツ
公開 アポツム編集部

新規開拓を始めようとすると、最初につまずくのが「どこに連絡すればいいのか」です。思いついた会社を並べただけのリストでは、連絡しても話がかみ合わず、時間ばかりかかってしまいます。
営業リストは、ただ会社の名前を集めたものではありません。誰に、なぜ連絡するのかが分かる一覧にしておくと、文面も電話の話し方も決めやすくなります。この記事では、お金をかけずに営業リストを作る手順と、精度を上げるコツ、気をつけたい個人情報の扱いをまとめます。
営業リストとは
営業リストとは、これから連絡する見込みのある会社を、連絡先や特徴と一緒にまとめた一覧です。表計算ソフトで作ることが多く、テレアポ・営業メール・問い合わせフォーム営業・郵送のDMなど、どの方法で新規開拓をするときにも土台になります。
リストの出来は、そのあとの成果を大きく左右します。たとえば、自社の商品を必要としていない会社ばかりのリストでは、文面をどれだけ工夫しても返事は来ません。反対に、いま困っていそうな会社を選べていれば、短い文面でも話を聞いてもらえる可能性が上がります。
営業リストを作る5つの手順
営業リストは、次の5つの手順で作ると、あとから使いやすいものになります。

図の内容を文字で読む
- 狙う顧客像を決める業種・地域・規模と、いま困っていそうな理由
- 情報源を決める公式サイト・会員名簿・出展者一覧など
- 項目を決める社名・窓口・きっかけ・確認日など
- 重複と古い情報を整理する同じ会社・閉鎖・移転を取り除く
- NGリストと照らし合わせる取引先や営業お断りの会社を外す
1. 狙う顧客像を決める
最初に、どんな会社に連絡したいのかを言葉にします。いきなり会社を探し始めると、「なんとなく良さそう」な会社が集まり、あとで絞り直すことになります。
決めておきたいのは次の4つです。
- 業種:自社の商品が役に立ちやすい業種はどこか
- 地域:訪問できる範囲か、オンラインで全国に対応できるか
- 規模:従業員数や拠点の数など、提案が合う大きさ
- きっかけ:いま、自社の商品が必要になりそうな動きは何か
とくに大切なのが4つ目のきっかけです。業種や規模が合っていても、相手にいま必要がなければ話は進みません。たとえば、展示会への出展を予定している、新しい店舗を開く、拠点が増えている、採用を強化している、といった動きは、新しい取り組みを検討している合図になります。
これまでに取引が決まったお客様に共通する点を書き出すと、狙う顧客像を決めやすくなります。
2. 情報源を決める
狙う顧客像が決まったら、その条件に合う会社をどこで探すかを決めます。業種で絞るなら業界団体の会員名簿、きっかけで絞るなら展示会の出展者一覧や求人情報というように、狙う顧客像から逆算して選ぶと、むだな会社が混ざりにくくなります。無料で使える情報源は意外と多くあります。くわしくは次の章で紹介します。
3. 項目を決める
集める項目を先に決めておくと、人によって書き方がばらつかず、あとで並べ替えや絞り込みがしやすくなります。項目のテンプレートは、後半の表をそのまま使ってください。
4. 重複と古い情報を整理する
いくつかの情報源から集めると、同じ会社が何度も出てきます。また、移転や閉鎖、社名の変更などで、情報はだんだん古くなります。連絡する前に、次の点を確かめましょう。

図の内容を文字で読む
- 社名の書き方をそろえる「株式会社」の位置、全角と半角、略称を統一する
- 同じ会社が2行ないか法人番号やホームページのURLで見分ける
- 支店やグループ会社の扱い本社にまとめるか、拠点ごとに分けるかを決める
- 公式サイトが開けるか開けない会社は、移転や閉鎖を疑って確かめる
- 確認した日が古すぎないか古い行は、連絡の前にもう一度確かめる
5. NGリストと照らし合わせる
最後に、連絡してはいけない会社をリストから外します。既存の取引先、商談中の会社、過去に「今後の連絡は不要」と言われた会社、ホームページで「営業お断り」と書いている会社などです。
NGリストは担当者ごとに持つのではなく、会社で1つにまとめておくのがおすすめです。別の担当者が同じ会社に連絡してしまう事故を防げます。「営業お断り」の見分け方は、「営業お断り」のフォームに送ってはいけない理由と見分け方でくわしく解説しています。
無料で使える情報源
営業リストは、有料のデータを買わなくても、公開されている情報から作れます。代表的な情報源と、それぞれで分かることを比べてみましょう。

図の内容を文字で読む
| 項目 | 分かること | 向いている使い方 | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 企業の公式サイト | 事業内容・拠点・問い合わせ窓口 | 1社ずつの確認と、提案の理由を書くとき | 1社ずつ見るので時間がかかる |
| 業界団体の会員名簿 | 同じ業界の会社の名前と所在地 | 業種で絞ったリストの土台 | 載っていない会社もある |
| 展示会の出展者一覧 | 出展する会社と、出す製品の分野 | 出展という動きをきっかけにする | 会期が終わると公開が終わることもある |
| 求人情報 | 採用している職種や拠点 | 採用の強化をきっかけにする | 求人の掲載が終わっていることがある |
| プレスリリースやニュース | 新店舗・新拠点・新サービス | 最近の動きをきっかけにする | 発表から時間がたつと状況が変わる |
| 公的機関が公開する法人の情報 | 正式な社名・所在地・法人番号 | 社名の確認と重複の見分け | 事業内容や窓口までは分からない |
どの情報源も、まずは公式サイトで確かめるのが基本です。名簿や一覧の情報は、更新の時期によっては古くなっていることがあります。
また、サイトによっては、利用規約で情報の収集や転載を禁じていることがあります。情報源ごとに規約を確かめ、相手のサーバーに負担をかけるような集め方はしないようにしましょう。
営業リストの項目テンプレート
項目は多すぎると入力が続かず、少なすぎると連絡するときに困ります。最初は次の表くらいから始めて、使いながら足したり減らしたりするのがおすすめです。
| 項目 | 書く内容 | 例 |
|---|---|---|
| 会社名 | 正式な社名 | 株式会社〇〇 |
| 法人番号 | 重複を見分ける手がかり | 公的機関の公開情報で確認 |
| ホームページ | 公式サイトのURL | https://example.com |
| 問い合わせ窓口 | フォームのURLや代表電話 | https://example.com/contact |
| 業種 | 自社で決めた分け方 | 食品の製造 |
| 地域 | 本社や拠点の所在地 | 東京都〇〇区 |
| 規模 | 従業員数など分かる範囲で | 公式サイトの記載どおり |
| きっかけ | 連絡する理由になる動き | 来月の〇〇展に出展予定 |
| 情報源と確認日 | どこで、いつ確かめたか | 公式サイト・11月2日 |
| 営業お断り | 表記があるかどうか | なし |
| 状況 | 未連絡・連絡済み・返信あり・商談 | 未連絡 |
| メモ | 次にやること | 来月にもう一度確かめる |
「きっかけ」と「確認日」の列は、ほかのテンプレートでは省かれがちですが、精度を上げるうえでとくに役に立ちます。きっかけは文面の「なぜ御社に連絡したのか」にそのまま使えますし、確認日があれば、古い情報を見つけやすくなります。
営業リストの精度を上げるコツ

図の内容を文字で読む
- きっかけで絞る業種や規模だけでなく、いま必要としていそうな動きで選ぶ
- 理由を一言で書く1社ずつ「なぜこの会社か」をメモしておく
- 確認日を残すいつ確かめた情報かが分かれば、古い行を見直せる
- 結果を書き戻す返信や商談になった会社の共通点を、次のリストに生かす
きっかけで絞る
同じ業種の会社をたくさん集めるより、きっかけのある会社に絞って集めるほうが、話が進みやすいことがあります。きっかけになる動きは、公開されている情報から見つけられます。
- 展示会の出展予定:展示会の公式サイトにある出展者一覧や、企業のお知らせ
- 新店舗のオープン:企業のニュースやプレスリリース、店舗のお知らせ
- 拠点が増えている:会社概要の拠点一覧や、移転・開設のお知らせ
- 採用の強化:採用ページや求人情報で、募集している職種や人数の多さ
見つけたきっかけは、リストの「きっかけ」の列に、日付と一緒に書いておきます。きっかけは時間がたつと意味が薄れるので、見つけたら早めに連絡するのがコツです。
結果を書き戻して、次のリストに生かす
連絡したら、その結果をリストの「状況」に書き戻します。返信があった会社、商談になった会社に共通する業種やきっかけが見えてくると、次に作るリストの精度が上がります。反対に、反応がなかった会社の傾向も、狙う顧客像を見直す材料になります。
文面の書き方は、問い合わせフォーム営業の例文も参考にしてください。
個人情報の扱いで気をつけること
営業リストに、担当者の名前や個人のメールアドレスを入れる場合は、個人情報として扱う必要が出てきます。個人事業主の場合は、屋号と一緒に個人の名前や連絡先が載っていることもあります。
あわせて、次のような運用を決めておくと安心です。
- リストを見られる人を、必要なメンバーに限る
- 個人のパソコンや私用のクラウドにコピーしない
- 退職や異動が分かった担当者の情報は、更新するか消す
- 「今後の連絡は不要」と言われたら、すぐにNGリストへ移す
手作業で作る時間と、ツールの使いどころ
営業リストは無料で作れますが、時間はかかります。たとえば、1社の情報を調べて入力するのに3分かかるとすると、500社で1,500分、つまり25時間です(3分×500社=1,500分)。きっかけまで調べると、さらに長くなります。
アポツムでは、AIが「売れそうな顧客層」と営業先を提案し、1社ずつ「提案する理由」を書いた文面を作ります。営業先を選ぶきっかけの例には、展示会の出展予定、新店舗のオープン、拠点が増える企業、採用の強化といった動きがあります。既存の取引先などを除くNGリストや、別のキャンペーンも含めた同じ法人への二重送信の防止もあるので、リストの整理にかかる手間を減らせます。
リストを作ったあと、どの方法で連絡するかは、新規開拓の営業手法12選で比べています。問い合わせフォームから届ける方法は、フォーム営業とはで全体の流れを紹介しています。

よくある質問
営業リストは何社くらいから始めればよいですか?
商材や狙う業種によって変わります。最初は数十社でも十分です。少ない数で連絡してみて、返信や商談になった会社の傾向を見てから、条件を見直して数を増やすほうが、むだが少なくなります。
有料のリストを買うのと、自分で作るのはどちらがよいですか?
有料のリストは、たくさんの会社をすぐに集められるのが利点です。一方で、自社が狙う顧客像やきっかけに合っているとは限りません。買う場合も、情報をどこから集めたのか、いつ更新したのかを確かめ、使う前に公式サイトで確認することをおすすめします。
問い合わせフォームのURLもリストに入れたほうがよいですか?
フォームから連絡する予定があるなら、入れておくと便利です。ただし、フォームの近くに「営業目的のご連絡はご遠慮ください」といった表記がある会社には送れません。URLと一緒に、営業お断りの表記があるかどうかも記録しておきましょう。
リストはどのくらいの間隔で見直せばよいですか?
決まった正解はありませんが、連絡する前に、その会社の情報をもう一度確かめるのが確実です。確認日の列を作っておくと、古くなった行を見つけやすくなります。
まとめ
- 営業リストは、誰に・なぜ連絡するのかが分かる一覧にする
- 狙う顧客像→情報源→項目→重複と古い情報の整理→NGリストの順で作る
- 公式サイト・業界団体の会員名簿・展示会の出展者一覧などで、無料でも作れる
- 「きっかけ」と「確認日」の列が、精度を上げる鍵になる
- 個人の情報は必要なものだけを集め、扱う人と保管場所を決めておく
まずは少ない数でリストを作り、連絡した結果を書き戻しながら、少しずつ精度を上げていきましょう。


